
心に留めておくべき心得
「管理職」という仕事
会社組織における管理職には「課長」や「部長」などの役職があります。労働基準法で定められている「管理監督者」になると、経営者側の立場として一定の権限を持ち、相応の待遇を受けることができますが、一般社員とは違って残業手当はなくなり、管理職手当が支給されます。なお、管理職と呼ばれている人全てが管理監督者に該当するということではありません。業務において目標を達成するためには部下の力が必要ですが、部下がその能力を発揮できるかどうかは管理職のやり方にかかっている部分が大きいので、一人前の管理職を目指すならその点を十分に理解しておかなければなりません。
システムエンジニアから「人を見る」仕事へ
部下の管理はもちろん、プロジェクトチーム以外の関係者とのコミュニケーション、業務スケジュールの管理、部下への情報発信など、管理職が担う役割は広範囲で、そのほとんどが「誰かの世話」と言っても過言ではありません。管理職は部下の仕事や業務全体の進捗を把握し、必要ならば注意やアドバイスを与えて全体を導いていきます。社員の体調管理は基本的に自己責任ですが、管理職は部下の業務内容と体調管理のバランスもよく観察しながら調整を加え、場合によっては休ませるという判断をする必要もあるでしょう。ストレス状態にも気を配り、部下が業務によって心身の不調を起こさないよう十分に配慮しなければなりません。また、経営者の意向をよく理解し、それを部下にしっかりと伝えるという責任もあります。会社組織が一致して業務に取り組んでいくためには、このように全体を管理する人がどうしても必要なのです。
管理職として心得ておきたいこと
システム開発はチームで行う仕事なので、プロジェクトを無事成功させるためにチームワークが欠かせません。メンバー全員が自分の能力を発揮するためには、管理職がまず公平な態度でメンバーに接することが大切です。部下の良いところは積極的に褒め、必要ならば手助けも惜しまないという態度を管理職自らが率先して行うようにすれば、部下の仕事に対するモチベーションを上げてそれを維持することができるでしょう。部下に媚びる必要は全くありませんが、全員が気持ちよく働ける環境作りをすることが良い結果への一番の近道なのかもしれません。
管理職手当の内訳
役割と責任が多くなる管理職は、負担の増加に伴って管理職手当が支払われます。労働基準法上の「管理監督者」という立場になると残業手当が無くなりますが、これに該当しないタイプの管理職は残業手当が支払われることになります。住宅手当や家族手当など、一般的に支給される各種手当は、管理職になると支給されなくなり、管理職手当に一本化されることもあります。